高次脳機能障害で後遺障害等級認定獲得するポイント
高次脳機能障害で適正な後遺障害等級認定を受けるためには、通常の障害の場合に加えて、以下にあげる各段階におけるポイントを抑えておくことが重要です。
適正な賠償金を受けるためにも、ポイントに十分注意しておきましょう。
事故直後の対応
事故直後の意識障害についての所見の記載を確認しましょう!
事故直後の意識障害のレベルが、高次脳機能障害の認定では重要です。
しかしながら、救急搬送された病院が脳外科ではなく、脳損傷についての理解が不十分な場合もあり、意識障害について記載が無い場合もあります。
また、初めに診断した医師が転勤する可能性もあり、後に、事故直後の所見を確認することが難しい場合もあります。
ですので、現在治療中であっても、早めに、主治医から意識障害の所見の記載について、確認しましょう。
事故直後に画像撮影を行ないましょう!
事故直後の画像所見が出ていることが重要です。
事故時の内蔵等の損傷も大きく、緊急手術等で、脳損傷等について、CT、MRI等の画像撮影が不十分な例があります。
高次脳機能障害は、事故後しばらく経ってしまうと、画像所見がでないケースもあります。
特に診断名がびまん性軸索損傷の場合には、画像所見がでにくいですので、注意が必要です。
ですので、事故直後の画像所見が出ているかについて、確認しましょう。
治療中の対応
高次脳機能障害に詳しい専門の病院・医師に診察してもらいましょう!
高次脳機能障害は外見からの判断が難しい後遺障害のため、脳神経外科や整形外科だけでなく、神経内科や神経心理学、リハビリなどにも対応できる専門の病院で診断を受ける必要があります。
リハビリに通院しましょう
リハビリに通院することによって、高次脳機能障害の症状が回復するという可能性もあります。
また、高次脳機能障害だと客観的に示す資料を残すためにも、定期的な記録を残していくことが必要になりますので、リハビリに通院し続けることは大切です。
特に未成年である場合、社会への適合能力が分かる時期まで症状固定せずに比較的長く経過観察を見る必要があります。
症状固定時期の対応
専門の医師に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう!
リハビリに症状改善の可能性があることは確かです。
しかし、リハビリにも限界はあります。
リハビリを続けていたとしても、継続的な症状改善が見込めなくなる時期が訪れます。
この場合は後遺障害が残ったということになりますので、適切な時期に高次脳機能障害に詳しい専門の医師に後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。
また、高次脳機能障害の場合、適正な後遺障害等級認定を受けるためには、後遺障害診断書以外にも神経系統の障害を示す医学的意見や日常生活状況報告等、高次脳機能障害であることを裏付ける書類を作成してもらうことが必要です。
各種神経心理学的検査を受診しましょう!
高次脳機能障害は客観的に判断することは難しい後遺障害です。
しかし、認知障害、行動障害について定量的に調べる検査を行うこともポイントになります。
各検査別によく用いられる方式は下記のとおりです。
知能検査 | ウェクスラー成人知能検査、長谷川式簡易痴呆スケール改訂版 |
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言語機能に関する検査 | 標準失語症検査 |
記憶検査 | 日本版ウェクスラー記憶検査、三宅式記銘検査 |
遂行機能検査 | ウィスコンシン・カード・ソーティングテスト |
専門の弁護士に相談しましょう!
以上ポイントの概略を述べましたが、高次脳機能障害として、適切な後遺障害の認定を受けるために、早期に弁護士の関与することが不可欠です。
しかしながら、高次脳機能障害は後遺障害の認定が難しい障害であり、交通事故を取り扱った経験がある弁護士であっても、難しい分野の一つとされています。
弁護士に相談・依頼する際でも、高次脳機能障害の認定に関与した経験がある弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
当事務所の高次脳機能障害の解決実績(一部)
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