被害者に重度の後遺障害が残った場合、その近親者(被害者の配偶者・子・両親など)には慰謝料が発生することがあります。

判例の考え方

 判例では、「被害者が生命を害された場合にも比肩すべき、又は右場合に比して著しく劣らない程度の精神上の苦痛を受けたとき」、被害者の近親者自身が自らの権利として加害者に慰謝料を請求できると認めています(最判昭和42年6月13日)。

近親者に慰謝料が認められる場合

 どのような場合に近親者の慰謝料が認められるのでしょうか?

 実は、近親者の慰謝料については明確な基準があるわけではありません。

 しかし、裁判例を見ると、被害者の後遺障害の重さのほか、被害者と近親者との関係、被害者の年齢などが考慮要素となっているようです。

 例えば、近親者の慰謝料が認められるケースは被害者が後遺障害のために要介護になった例が多いです。

 また、この場合に実際に介護を行う近親者は他の近親者より多く慰謝料が認められる傾向にあります。

 後遺障害の等級は低い場合でも(12級)、被害者が幼児の場合に、父母に特に慰謝料を認めた裁判例もあります(神戸地判平成8年5月30日)。

 大きな傷害を負ったり、重い後遺障害が残存したときは被害者の近親者の精神的苦痛も大きいです。

 その精神的苦痛を少しでも軽減するためにも、適切な賠償が望まれます。

近親者の慰謝料が認められた解決事例

等級事例内容
1級高次脳機能障害で後遺障害1級1号に認定され、近親者慰謝料も補償された事例
死亡事故で当初の提示額から約3,300万円増額し適切な賠償額で解決した事案
1級高次脳機能障害で後遺障害1級認定の被害者が、裁判により1億6,000万円の補償を受けた事案
1級高次脳機能障害1級の被害者の方が示談にて1億500万円獲得した事案

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