交通事故による肺の負傷は、肺挫傷、肺挫滅、肺裂傷、気胸、血胸、血気胸、フレイルチェスト等のような傷病名となります。

 肋骨骨折が付随することが多く、肋骨の変形障害も視野に入れる必要があります(肋骨の変形障害についてはこちらをご参照ください)。

 呼吸器障害が残り、健常者と同様に階段を昇り降りすることができない程度の呼吸困難があれば、後遺障害認定の可能性があります。

肺を受傷された方の解決実績

診断名事例内容
肺挫傷
血気胸
示談交渉で裁判した場合と同額以上の1,140万円が補償された事例
外傷性肺挫傷後遺障害等級認定・示談交渉サポートで約5,300万円が補償された事例

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後遺障害等級表

軽度の呼吸困難

 呼吸困難のため、健常者と同様には階段の昇降ができない場合

13級胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
11級胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
9級胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

中程度の呼吸困難

 呼吸困難のため、平地でさえ健常者と同様には歩けないが、自分のペースでなら1km程度の歩行が可能である場合

7級胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

高度の呼吸困難

 呼吸困難のため、連続しておおむね100m以上歩けない状態である場合

5級胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3級胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
2級胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
1級胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

立証方法

 後遺障害認定のためには、まずは肺の負傷の程度をレントゲン検査で立証する必要があります。

 そして、呼吸困難の程度を立証する方法としては、次のような検査を要し、検査数値に応じて等級認定がされます。

肺呼吸困難の程度を立証するための検査方法

  • スパイロメトリー検査(呼吸器量を計測)
  • 動脈血酸素分圧/動脈血炭酸ガス分圧(血中の酸素及び炭酸ガスの圧力を計測)

 これらの検査で数値が出ない場合、高度~中等度の呼吸困難があるものとは認められませんが、運動負荷試験によって明らかに呼吸機能に障害があると認められるときには、軽度の呼吸困難があるといえます。

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